12月の誕生石 タンザナイトの意味と宝石言葉

12月の誕生石 タンザナイト Tanzanite ブルーゾイサイト Blue Zoisite

宝石名 タンザナイト/ブルーゾイサイト
英名 Tanzanite/Blue Zoisite
和名 灰簾石(かいれんせき)/黝簾石(ゆうれんせき)
鉱物名 ゾイサイト(Zoisite)/灰簾石/黝簾石
分類 珪酸塩鉱物
化学組成 カルシウムとアルミニウムの珪酸塩鉱物
化学式 Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)
結晶系 直方晶系(斜方晶系)
モース硬度 6-7
靭性 普通-低
劈開性 完全
比重 3.1–3.4
屈折率 1.69-1.70
分散度 0.030
光沢 ガラス光沢
ブルー、バイオレット、パープル、ライラック、ラベンダー
誕生石 12月の誕生石
石言葉・宝石言葉 希望-神秘-高貴-知性-冷静

■12月の誕生石、タンザナイトとは?

タンザナイト(Tanzanite)は12月の誕生石。

1958年に制定された日本の誕生石が63年ぶりに改定され、10石の新しい誕生石が追加されることになり、2021年12月20日にタンザナイトは12月の誕生石に追加されました。

鉱物学的には”緑簾石(りょくれん)”グループに属するケイ酸塩鉱物で”ゾイサイト(Zoisite)”の変種です。

タンザナイトはバナジウムに起因して青色~青紫色を呈するゾイサイトのため”ブルーゾイサイト(Blue Zoisite)”とも呼ばれます。

そのため、タンザナイトの和名はゾイサイトと同じ”灰簾石(かいれんせき)”または”黝簾石(ゆうれんせき)”です。

タンザナイトは結晶を見る角度や光源や明るさ等の条件によって異なる色に見える”多色性(たしょくせい、たしきせい)”という光学現象を示します。

タンザナイトのモース硬度は6~7と低いため比較的傷が付きやすく、劈開性という衝撃に対して脆い性質を持つデリケートな宝石のため、超音波洗浄によるお手入れや強い衝撃を避けるなど、取り扱いには注意が必要な宝石です。

■ゾイサイトについて

ゾイサイトはブルー、グリーン、ピンク、パープル、イエロー、グレーと色相豊富な宝石です。

バナジウムに起因して青色系を呈するタンザナイトのほかに、クロムに起因して緑色系を呈する”グリーンゾイサイト”、マンガンに起因してピンク色~赤色系を呈するもので不透明な”チューライト(Thulite)”と透明度の高い宝石質の”ピンクゾイサイト”、緑色系を呈する不透明なゾイサイトの中にルビーが混在する変成岩の”アニョライト(anyolite)”=”ルビーインゾイサイト(Ruby in Zoisite)”などがあります。

透明度の高い宝石質の”グリーンゾイサイト”はゾイサイトの中でも産出量の少ない稀少な宝石で、別名”クロムゾイサイト”とも呼ばれています。

良質の”ピンクゾイサイト”はタンザナイトよりも稀少価値が高いとされており、インクルージョンが少なく色鮮やかなものは高値で取引されますが、知名度が低いため最近ではタンザナイトの知名度にあやかって”ピンクタンザナイト”と称して販売されている場合もあります。

■タンザナイトの歴史について

タンザナイトは1967年にキリマンジャロ山麓のふもと、アフリカのタンザニア北部メレラニ地方で発見された、比較的新しい宝石です。

タンザナイトが発見された当初は、サファイアまたはペリドットと考えられていましたが、米国宝石学会の研究機関GIA(Gem Trade Laboratory)の宝石鑑定により、鉱物学的に”緑簾石(りょくれん)”グループに属するケイ酸塩鉱物の一種で、バナジウムに起因して青色~青紫色を呈する”ゾイサイト(Zoisite)”とわかり、”ブルーゾイサイト(Blue Zoisite)”の宝石名が名付けられました

しかしながら、アメリカの大手宝飾店の”Tiffamy & Co.(ティファニー・アンド・カンパニー)”がこの新しい宝石の可能性を見出し、産出国のタンザニアの地名に因んで”タンザナイト(Tanzanite)”と宝石名を改めて、1968年に大々的なキャンペーンを行い売り出したところ、”タンザニアの北東部にある山のキリマンジャロの夜空を映し出したような、神秘的で美しい青紫色の色合いの新種の宝石”と宝飾関係者が注目し、たちまち世界で人気の宝石になりました。

タンザナイトの需要は年々上昇し、その人気は色石の中でサファイアに次ぐ程にまでになり、欧米では2002年に宝石業界公式の誕生石として、タンザナイトが12月の誕生石に加えられました。

日本においては2021年12月20日に誕生石が改定され、”タンザナイト(ブルーゾイサイト)”と”ジルコン(風信子石)”が新しく12月の誕生石に追加されました。

これにより、従来より12月の誕生石であった”ターコイズ(トルコ石)”と”ラピスラズリ(瑠璃)”も合わせた計4種類の宝石が日本の12月の誕生石になりました。

■タンザナイトの意味とは?名前の由来

“タンザナイト(Tanzanite)”の宝石名の語源は、唯一の産出国の国名”タンザニア(Tanzania)”+”鉱物・化石”を意味する接尾辞の”-lite”に由来します。

※接尾辞の”-ite”や”-lite”は、”石”の意味を持つギリシャ語”lithos”が語源。

■ジョージ・フレデリック・クンツ博士とは?

ブルーゾイサイトに”タンザナイト(Tanzanite)”の宝石名を命名したクンツ博士は、歴史に名を遺す非凡な鉱物学者・宝石鑑定士(ジェモロジスト)で、ピンクベリルを”モルガナイト(Morganaite)“と命名したことでも広く知られています。

幼い頃より鉱物収集に情熱を注いでいたクンツ博士は、1876年にニューヨークの宝石店”ティファニー”の創設者である”チャールズ・ルイス・ティファニー氏”に類稀なトルマリンを売り渡しました。

このことがきっかけとなり、クンツ博士はティファニー社に迎えられます。

ティファニー社に加わったクンツ博士は、生涯にわたり世界中で稀少な宝石を探求することになり、世界最大の宝石のコレクションを築き上げていきました。

1902年頃、クンツ博士のもとにカリフォルニア州のサンディエゴ郡のパーラ近郊のホワイト・クイーン鉱山で採掘された、正体不明のピンク色の結晶が届けられ、後にこの結晶は鉱物スポジュメンであることが確認されましたが、過去に認識されていない色相であったため、これは新種の宝石の発見となりました。

1903年9月、この新種の宝石は”クンツァイト(kunzite)“と命名されました。

それは、アメリカの化学者で大学教授の”チャールズ·バスカヴィル氏(Charles Baskerville)”が、偉大なクンツ博士に敬意を表し、献名として命名した宝石名でした。

■鉱物名・宝石名の命名ルール

新種の鉱物は、鉱物学の発展と約5,000種の鉱物名の統一を目的とする国際組織である”国際鉱物学連合(IMA: International Mineralogical Association)”の”新鉱物・鉱物名委員会 (CNMNC: Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)”において審査を受け、その承認を得る必要があります。

新しい化学組成・結晶構造を持つ鉱物を発見した場合は、その地質作用や科学的根拠を明記した申請書を委員会へ提出します。

申請の際に鉱物の名前(学名)も自ら提案できますが、発見者の名前をつけてはいけないというルールや、一部の鉱物グループには命名規約が存在することもあります。

多くの場合は、地名・献名・特徴的な外観・化学組成などに由来するものが多く、名前の最後に”-ite”や”-lite”を付けます。

委員会は提出された申請書に基づいて鉱物と鉱物名・命名理由を数ヶ月かけて審査され、承認されると新鉱物が誕生します。

■タンザナイトの石言葉・宝石言葉

タンザナイトの石言葉・宝石言葉は、希望-神秘-高貴-知性-冷静。

石言葉・宝石言葉とは、一つ一つの宝石に与えられた言葉のことで、各々の宝石の持つ特質や歴史・言い伝えなどから、象徴的な意味をもつ言葉が選ばれています。

石言葉・宝石言葉には、各々の宝石の持つ特質や色が与える心身への影響が研究された心理学が応用されていますので、自身が受ける心理的影響を生かしたセルフマネジメントや、他人に与える心理的影響を活かした印象戦略などに活用することができます。

■タンザナイトの魅力について

洗練された雰囲気を持つタンザナイトは、幅広い年齢層から好まれる宝石です。

タンザナイトは”決意の石”として、正しく冷静な判断力を与え、知性や洞察力を高めてくれるといわれています。

タンザナイトは身に着けると、成功へと導いてくれるといわれることから、次第に新しい人生や、新しい門出を祝うのにふさわしい宝石として扱われるようになっています。

■タンザナイトの稀少価値

タンザナイトは世界でたった一ヶ所、タンザニアのメレラニでしか採掘されていない希少な宝石です。

タンザニアのメレラニでしか採掘されていないこともあり、その産出量は年々減少しています。

専門家の多くがタンザナイトの鉱床の寿命は残りわずか十数年程と意見していることもあり、年々高まる希少性が更なる人気に拍車をかけています。

■タンザナイトの多色性について

“多色性(たしょくせい、たしきせい)”とは、結晶の色が観察角度・偏光面・結晶軸などの関係によって、異なる色に見える光学現象のことです。

タンザナイトの多色性では、太陽光の下では青色系を呈し、白熱光の下では紫色系を呈する、という色変化がみられることが多いですが、色変化が少なく、色調の濃淡に変化が見られるだけの場合もあります。

タンザナイトは多色性が強く表れるものほど宝石としての価値も高く評価されます。

■カラーゾーニング(色分布)について

タンザナイトは一石の宝石の中に複数色を呈する”カラーゾーニング(色分布)”が見られることもあります。

カラーゾーニングが二色の場合はバイカラー、三色の場合はトリプルカラー(トリカラー)、多色の場合はマルチカラーやパーティカラーなどと呼ばれることがあります。

そのため、カラーゾーニングが二色の場合は”バイカラータンザナイト”や”バイカラーゾイサイト”、多色の場合は”マルチカラータンザナイト”、”マルチカラーゾイサイト”、”パーティーカラータンザナイト”、”パーティーカラーゾイサイト”などと呼ばれます。

カラーゾーニングを特徴に持つ宝石としては、トルマリンや水晶などが有名です。

カラーゾーニングが起こる要因としては、宝石の原石となる結晶が長い年月をかけて地中でゆっくりと成長していくことにあります。

宝石は金属の微量元素を結晶中に取り込むことで様々な色を呈しているのですが、結晶は成長スピードが大変遅いことから、長い年月をかけて結晶が形成される間に地中の環境が変化してしまうことが度々あり、地中の温度に変化が生じたり、取り込まれる微量元素の量や種類が変化してしまうために起こります。

バイカラーやマルチカラーの宝石の場合は、カラーゾーニングがしっかりと確認できるものが高く評価されますので、色の違いがはっきりと出るようにカットされている一石を選ぶことをおすすめいたします。

■タンザナイトの評価について

タンザナイトは内包物(インクルージョン)が少なく、透明度が高く、色の濃度が濃く、多色性が強く表れるものほど宝石としての価値も高く評価されます。

タンザナイトの色調は青色系と紫色系ですが、青色系の方が高く評価されます。

サイズの大きな宝石ほど、色が濃く多色性も強くなる傾向にあるため、価値の高いものはサイズも大きいことが一般的です。

小さなサイズに研磨された宝石は厚みが薄くなることから、色の濃度も薄くなるためパステルカラーであること多く、多色性は感じ難くなります。

タンザナイトの原石は青みがかった赤褐色の結晶として産出することが多く、宝石として流通しているものは特徴的な青紫色~青色を出すため、加熱処理が施されていますが、非加熱のものは殆ど流通していないため、加熱処理により価値が下がるということはないようです。

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