4月の誕生石一覧と宝石言葉

4月の誕生石 ダイヤモンド ダイヤ ダイアモンド 金剛石 diamond

■4月の誕生石は?

日本の4月の誕生石はダイヤモンドとモルガナイトです。

日本の誕生石は1958年に全国宝石卸商協同組合によって制定されたものですが、2021年12月20日に63年振りに改訂があり、従来から4月の誕生石となっていたダイヤモンドに加え、新たにモルガナイトが追加されることになりました。

ちなみに、アメリカの4月の誕生石はダイアモンドのみ、イギリスの4月の誕生石はダイヤモンドとロッククリスタル(水晶)となっています。

■4月の誕生石、ダイヤモンドとは?金剛石について

世界共通で4月の誕生石となっているダイヤモンドは、ブリリアンス※やファイア※を伴って煌めく、金剛光沢※と呼ばれる、特徴的な輝き方をする物理的性質を持つ宝石です。

ダイヤモンドはモース硬度10と自然界に存在する宝石中で最も高く、硬度という側面で考えたとき、ダイヤモンドの右に並ぶ宝石はないため世界で1番硬い宝石と評されますが、一方で靭性(じんせい)という、大きな力が加わった際の物質の破壊に対する感受性や抵抗を意味する指標(モース硬度とは異なる指標)は低いため、耐衝撃性はそれほど強くないので、大切に取り扱う必要があります。

※ブリリアンスとは、宝石の表面や内部に入射した光が反射して見える白色光線の輝きのこと。

※ファイアとは、宝石の内部に入射した白色光線が屈折反射することにより分光された虹色の輝きのこと。

※金剛光沢とは、屈折率(入射した光を反射する角度を表す数値)が1.9以上を有する宝石に認められる物理的性質で、ダイヤモンドに見られる光り輝き方の特徴のため、ダイヤモンドの和名の金剛石の名に因んで金剛光沢(こんごうこうたく)と呼ばれます。

■ダイヤモンドの石言葉と意味

ダイヤモンドの石言葉(宝石言葉)は、「純潔(じゅんけつ)」「無垢(むく)」「永遠の絆」。

「ダイヤモンド(diamond)」の名前の語源には諸説ありますが、「征服できない」という意味のギリシャ語の「adamazein」※に由来すると考えられています。

※「adamazein」は、「征服する」という意味のギリシャ語「damazein」に、否定の意味を表す接頭辞「a」の単語が頭に付いた形容詞。「adamazein」はラテン語では「adamant」となり、いつの間にか「a」が取れ、現在の名「diamond」に変化したと考えられています。

ダイヤモンドが地球上の自然界に存在する物質の中で最も硬い鉱物のため、今のように技術が発達していなかった古代では研磨することができなかったことから、長い間「征服できない」たぐいまれな硬さの物質として考えられていたからです。

「征服できない」意味を持つダイヤモンドは、不屈の象徴であったことから、敵から守ってくれる戦の「お守り」として用いられるようになり、恐怖心を取り除き不屈の闘志を支えて勇気を与える、と考えられて戦士達が鎧などにダイヤモンドを埋め込むなどして身に着けていたと言われています。

中世ヨーロッパ時代頃になり、ダイヤモンドを研磨する技術が進歩しはじめると、その価値が高く認められるようになり、研磨されたダイヤモンドのその美しい輝きは、たぐいまれな硬さに守られ、変化することがないことから、ダイヤモンドは「永遠」の象徴となります。

15世紀の中頃には、神聖ローマ帝国のローマ皇帝マクシミリアン1世が、婚約者のマリー・ド・ブルゴーニュ女公(ブルゴーニュ公国最後の君主)にダイヤモンドの指輪を贈り、マリーもマクシミリアンに指輪を贈ったとされており、このやり取りが【婚約指輪】=【エンゲージリング】の起源となったと言われており、こうしてダイヤモンドは【変わらぬ愛】や【永遠の絆】の象徴する宝石になりました。

婚約指輪を象徴する宝石となったダイヤモンドの透明感や美しい輝きは、汚れを知らない花嫁を表現するにふさわしく、「純潔」「無垢」「永遠の絆」の石言葉(宝石言葉)を持つようになりました。

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4月の誕生石 モルガナイト ピンクベリル ローズベリル モルガン石 Morganaite

■新しい4月の誕生石のモルガナイトとは?モルガン石について

1958年に制定された日本の誕生石が63年ぶりに改訂され、10石の新しい誕生石が追加されることになり、2021年12月20日にモルガナイトは4月の誕生石に追加されました。

モルガナイトはモース硬度7.5~8と比較的硬く、靭性も高いため、ジュエリー用として耐久性のある半貴石・準宝石です。

鉱物学的にはエメラルドやアクアマリンと同じ「ベリル(beryl)」=「緑柱石(りょくちゅうせき)」に属する鉱物で、化学組成は「ベリリウムとアルミニウムの珪酸塩」、化学式は「Be3Al2Si6O18」で表されます。

微量元素として含まれるマンガン(Mn2+)に起因してピンク色を呈するベリルであることから、別名:ピンクベリル、ローズベリルなどの名称でも流通しています。

モルガナイトはアクアマリンよりも希少な宝石ですが、比較的サイズの大きな宝石が入手しやすい理由は、アクアマリンやエメラルドのように一般消費者に幅広く宣伝販売されておらず、知名度・認知度が低いためです。

主な産地はブラジル、マダガスカル、モザンビーク、アフガニスタン、ナミビア、パキスタンなど。

モルガナイトのピンク色は原石の内包するマンガンの入りこみ方や含有量の差によって色調や色の濃淡に違いが出てくるため、鉱山にて採掘されたモルガナイトの原石の色は淡いペールピンク色のもの、オレンジがかったピーチ色のもの、赤みがかかったローズピンク色のもの、紫がかった色のものまで実に幅広くあります。

モルガナイトは1910年にマダガスカル沖の島で発見された比較的新しい宝石で、同年に銀行家・投資家で熱心な宝石コレクターだった「J.P.モルガン氏(John Pierpont Morgan/ジョン・ピアポント・モルガン」氏の名前に因んで「Morganite(モルガナイト)」と命名されました。

■モルガナイトの石言葉と意味

モルガナイトの石言葉は「愛情」「優美」「清純」です。

石言葉とは、一つ一つの宝石に与えられた言葉のことで、各々の宝石の持つ特質や歴史・言い伝えなどから、象徴的な意味をもつ言葉が選ばれています。

石言葉には、各々の宝石の持つ特質や色が与える心身への影響が研究された心理学が応用されていますので、自身が受ける心理的影響を生かしたセルフマネジメントや、他人に与える心理的影響を活かした印象戦略などに活用することができます。

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4月の誕生石 クリスタル 水晶 ロッククリスタル クリアクォーツ

■イギリスの4月の誕生石、ロッククリスタルとは?水晶について

イギリスの4月の誕生石は、ダイヤモンドとロッククリスタル(水晶)です。

恐らく、4月(ダイヤモンド)、5月(エメラルド)、7月(ルビー)、9月(サファイア)の4か月は、貴石のみが誕生石となっているため、必然的に価格帯が高価になってしまうことから、半貴石を加えることで、どの世代にも手の届きやすい価格帯になるよう配慮がなされているものと思われます。

化学組成は二酸化珪素で、同一の化学組成と近似した物理的特性をもつ鉱物「石英(せきえい)」=「クォーツ(Quartz)」の一種になります。

石英の中でもガラス光沢をもつ無色透明の結晶体は「水晶(すいしょう)」=「クリスタル(Crystal)」と呼ばれます。

現在の和名は「水晶」が一般的になりましたが、江戸時代には「水精」の名も使われていました。

「クォーツ(Quartz)」は石英と水晶の両方を意味するため、無色透明の水晶のことを「クリスタルクォーツ(Crystal Quartz)」、「クリアクォーツ(Clear Quartz)」と呼ぶこともあります。

英名「クリスタル(Crystal)」の名の語源は、ギリシャ語で氷のように冷たいという意味の語の「クリオス(Kryos)」に由来しています。

クリスタルの名が人々の間に浸透していくにつれ、水晶以外の透明で美しい形状の鉱物もクリスタルと呼ばれるようになり、クリスタルの名には結晶という意味合いが定着していきました。

そのため、水晶は宝石名では「ロッククリスタル(Rock Crystal)」と呼ばれるようになりました。

ロッククリスタルの宝石言葉は「純粋」「完璧」「冷静」「神秘」。

地球の誕生とともにできたと考えられている水晶は、古くから宝石として用いられてきた歴史があり、世界中の古い遺跡から発見されています。

水晶は水源の近くの山岳地帯や河川の底などから発見されることが多く、透明度の高い結晶の見た目が氷に似ていたことから、世界中の多くの民族が水晶を氷の一種と考え、水晶のことを永久的に凍ったままの氷、氷の中心部が固くなったもの等と信じていたという文献が残されています。

古代ローマにおいては暑い日に水晶を飾って涼を取っていたとも言われています。

仏教においては「玻璃(はり)」と呼ばれ、七宝の一つの宝石として珍重されてきた歴史があります。

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