ゴールドフィルド とは ?
ゴールドフィルド(Gold Filled)とは、芯材となるベースメタル(卑金属)の表面を総重量5%以上の金で被覆し、熱処理と圧延によって合金化接合した和名で金張り-金貼りと呼ばれる複合材です。
ゴールドフィルドは経済性・加工性が高く、主にアクセサリー・時計・眼鏡・万年筆・ライターなど様々な宝飾品・装身具・工芸品などに用いられています。
14kゴールドフィルド とは ?
14kゴールドフィルドとは、被覆材に14金(14kt gold)が使われた14金ゴールドフィルド=14kt gold filled(略称14kgf)のことです。
略称の14kgf は “フォーティーン・ケー・ジー・エフ” や “じゅうよん・けー・じー・えふ” と読みます。
↓↓↓14KGF(K14GF)の詳細につきましては、以下のリンクより特集記事をご参照下さい。
14KGF(K14GF)とは? 14金ゴールドフィルドについて
ゴールドフィルドの特徴は?
- 金と同様の外観(色合い・光沢)を有している
- 金と同様の金属特性(イオン化傾向・耐食性・導電性・熱伝導性など)を有している
- 金と比較して安価に製造・供給が可能でコストパフォーマンスに優れている
- 金メッキよりも境界面が剥離しにくい
- 金メッキよりも金の層が厚く摩耗しにくい
- 金メッキよりも酸化しにくいため室温で変色しにくい
- 金メッキよりも腐食しにくく錆が出にくい
ゴールドフィルドの種類
- 10kgf・k10gf→被覆材に10金(10K)が使われたゴールドフィルド
- 12kgf・k12gf→被覆材に12金(12K)が使われたゴールドフィルド
ゴールドフィルドの耐久性
ゴールドフィルドは金とベースメタルの境界面を熱処理と圧延によって合金化接合させているため、接合界面の密着力が金メッキと比べて非常に強く、剥がれにくいことから、耐久性に優れる素材として知られています。
また、ゴールドフィルドは被覆材の金の量は総重量の5%以上と定められているため、一般的に金メッキよりも金の層が厚く、摩耗しにくい点においても耐久性が高く評価されています。
ゴールドフィルドのデメリット
ゴールドフィルドは鋳造(キャスト)で製造される14金とは違い、14kgfは複雑な形状のパーツを製造することはできない点がデメリットといえます。
板状・ワイヤー状・筒状の形状の素材から様々なパーツへと成型されていますので、切断面など構造上どうしてもベースメタルが露出した状態になっている部分あったり、部分的にろう付けで接合されているパーツもあるため、ベースメタルやろう材に起因して金属アレルギーが出る可能性は14金よりも高くなる点に注意が必要です。
また、ゴールドフィルドは傷や摩耗等によりベースメタルが露出した場合、再クラッドすることはできないため、金メッキ等で補修することになり、元の状態に戻すことはできない点もデメリットになります。
↓↓↓14kgfのお手入れ方法の詳細につきましては、以下のリンクより特集記事をご参照下さい。
14kgf の お手入れ方法 k14gf クリーニングとメンテナンス
↓↓↓14kgfと金属アレルギーの詳細については、以下のリンクより特集記事をご参照下さい。
ゴールドフィルドとメッキの違い
- ゴールドフィルド (Gold Filled=略称GF)
- 金メッキ (Gold Plated=略称GP)
ゴールドフィルドと金メッキの違いは耐久性です。
ゴールドフィルドはベースメタルと金との境界面は原子レベルの金属間結合により合金化しているため、接合界面の密着力が金メッキに比べて非常に強く、剥がれにくいのが特徴です。
また、金メッキの場合、厚くメッキするにも限界があり、メッキ厚には制約がありますが、ゴールドフィルドにおいては被覆材の金の厚みは総重量5%以上と定められているため、一般的に金の層の厚みが金メッキより厚いことから摩耗しにくいうえ、金の特性(色合い・光沢・イオン化傾向・耐食性・導電性・熱伝導性など)によって得られるメリットが金メッキと比較して高くなります。
↓↓↓ゴールドフィルドと金メッキの違いにつきましては、以下のリンクより特集記事をご参照下さい。
金張りとは?金貼りとは?
金張り(きんばり)とは、ゴールドクラッド(gold clad)=金クラッドメタル(金クラッド材)のことで、金メッキと区別する際に使われる用語で、金貼りとも称されます。
金張りはゴールドフィルドの和名とされますが、厳密にはゴールドフィルドは金張りの一種になります。
金張りは卑金属に高価な金を被覆することによって、本物の金と同じ外観・特性・経済性を兼ね備えた、高付加価値材料として誕生しました。
金張りに使われる金の比率には決まりが無く、金張りのうち被覆する金の重量が総重量の5%以上のものがゴールドフィルドになります。
クラッドメタルとは?
“クラッドメタルとは(クラッド材)”とは、二種類以上の異なる金属を、熱処理と圧延によって金属間の境界面を合金化させて貼り合わせる技術を用いた、積層形の”異種金属貼り合わせ複合材”のことです。
クラッドメタルは種類の異なる二種類以上の金属を組み合せることによって、単一の金属では得られない新しい機能や、それぞれの金属の特性(色・輝き・イオン化傾向・耐食性・導電性・熱伝導性など)を発揮させることができる高機能性の金属複合材として誕生し、主に経済性・耐食性・加工性などの利点を目的として商業的に生産されるようになりました。
クラッドメタルの技術は広く応用されていますが、一番身近な所では家庭用の鍋やフライパンなどに活かされています。
クラッドメタルにおいて、被覆する金属を”被覆材”や”クラッド”、被覆される金属を”芯材”や”コア”と呼びます。
一般的に貴金属のクラッドメタルにおいては、芯材の素材にはベースメタルが使用され、被覆材に貴金属が使用されます。
貴金属のクラッドメタルの場合、高価な貴金属の特性を活かしながら、必要な範囲のみに貴金属を使用することでコストを抑制することができるメリットがあります。
ゴールドフィルドは被覆材に金を用いた”ゴールドクラッド(gold clad)”=”金クラッドメタル(金クラッド材)”です。
ゴールドフィルドの素材について
広く普及しているゴールドフィルドの芯材の素材は主に真鍮などのベースメタル、被覆材の素材は14金の金合金です。
ゴールフィルドの被覆材には14金のほかに10金・12金・18金が使われているものがあります。
アンティークのゴールドフィルド製品には芯材にシルバーが用いられているものもありますが、現在ではシルバーベースのゴールドフィルドはコスト的な面からあまり製造されていません。
ちなみに、ベースメタルとは卑金属(ひきんぞく)のことで、貴金属の対義語になります。
ベースメタルは資源が豊富で産出量が多く、供給が安定的な安価な金属で、精錬が簡単なことから、基礎資材として広く工業的に使用される金属の総称で、主に銅・鉛・亜鉛などを指します。
ゴールドフィルドの価値
ゴールドフィルドの価値は金メッキより高く、金合金よりも低くなります。
ゴールドフィルド製品を単純に金の買取価格などで計算すると非常に少額になってしまいますが、宝飾品・装身具・工芸品としての価値は金メッキ製品よりも高く評価されます。
金の含有率による価値のみを考えた場合、14金ゴールドフィルド(14KGF)では14金(14K)の5%程度と考えられます。
14金などの金合金(ソリッドゴールド)における金の含有率を品位と言いますが、一般的に品位は24分率の”カラット(K)”または千分率で表されます。
14金(14K)は24分の14の割合(14/24=約58.3%)で純金を含んだ金合金という意味を表しています。
すなわち、14金・1グラムあたりの金の含有量は約0.583グラムです。
約0.583グラムの5%で計算する
14金ゴールドフィルド・1グラムあたりの金の含有量は約0.029グラムになります。
- 14金ゴールドフィルド・1グラムあたりの金含有量 → 約0.029グラム以上
- 10金・1グラムあたりの金含有量 → 約0.416グラム
- 14金・1グラムあたりの金含有量 → 約0.583グラム
ゴールドフィルドの品質
ゴールドフィルド製品には、合せ材に使われた金の純度が刻印されているものもあります。
合せ材には12金・14金・18金が使われれていることが多く、中でも14金を合せ材に用いた14金ゴールドフィルドは日本でも人気が高く、【14KGF】や【K14GF】の名称で広く知られています。
12金ゴールドフィルド – 12KGF、K12GF、1/20 12K
14金ゴールドフィルド – 14KGF、K14GF、1/20 14K
18金ゴールドフィルド – 18KGF、K18GF、1/20 18K
※14KGF(K14GF)の説明については以下のリンクをご参照下さい。
14KGF(K14GF)とは? 14金ゴールドフィルドについて
※ゴールドフィルド(GF)とゴールドプレーテッド(GP)の違いについては以下のリンクをご参照下さい。
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