宝石名 | ターコイズ |
英名 | Turquoise |
和名 | トルコ石(とるこいし)、トルコ玉(とるこだま、とるこぎょく) |
鉱物名 | ターコイズ(Turquoise)、トルコ石(とるこいし) |
分類 | リン酸塩鉱物=フォスフェートミネラル(Phosphate mienral) |
化学組成 | 銅とアルミニウムを含む燐酸塩 |
化学式 | CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O |
結晶系 | 三斜晶系 |
モース硬度 | 5-6 |
靭性 | 普通 |
劈開性 | 不明瞭 |
比重 | 2.6-2.9 |
屈折率 | 1.61-1.65 |
光沢 | ガラス光沢-ロウ光沢 |
色 | 淡青色、青緑色、緑青色、淡緑色、黄緑色 |
誕生石 | 12月 |
石言葉・宝石言葉 | 成功-繁栄-健康-安全 |
12月の誕生石、ターコイズとは?
ターコイズ(Turquoise)は12月の誕生石。
和名で”トルコ石(とるこいし)”や”トルコ玉(とるこだま、とるこぎょく)”と呼ばれる半貴石・準宝石です。
鉱物学的には、銅とアルミニウムを含む燐酸塩鉱物で、化学式は CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O 、モース硬度が5〜6と低く、取り扱いに注意が必要なデリケートな宝石です。
ターコイズの歴史は古く、クリスタル(水晶)・パール(真珠)・ラピスラズリ(瑠璃)・メノウと並び、紀元前の太古の昔より装飾品として利用されてきた宝石の一つです。
ターコイズは不透明で独特な青緑色系(水色・青色・青緑色・緑青色・緑色・黄緑色など)を呈する宝石で、他の宝石にはない独特な色調から色名にもなっています。
色名の”ターコイズブルー(turquoise blue)”は、JIS慣用色名においては”宝石のターコイズ(トルコ石)のような青緑色”として系統色名”明るい緑みの青 (マンセル値 5B 6/8)”と定義されています。
より緑みの強い”ターコイズグリーン(turquoise green)”という色名もありますが、単に”ターコイズ”といった場合はターコイズブルーのことをいいます。
しかしながら、ターコイズに限らず、天然石の色合いは一定ではないため、色相・彩度・明度が定義されている色名で色を表現するのは非常に困難です。
ターコイズグループの鉱物について
鉱物名 | 化学式 |
ターコイズ | CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O |
チャルコシデライト | CuFe2+6(PO4)4(OH)8・4(H2O) |
アヘイライト | FeAl6(PO4)4(OH)8・4H2O |
ファウスタイト | ZnAl6(PO4)4(OH)8・4H2O |
プラネライト | Al6(PO4)2(PO3OH)2(OH)8・4H2O |
ターコイズは、銅鉱石が変質作用や風化作用により分解されることにより生成された二次鉱物(次成鉱物)と考えられています。
銅鉱石とは複数の金属や不純物など様々な成分の集合体で、銅鉱石を構成する鉱石鉱物には様々な種類があることから、構造が類似しているチャルコシデライト、アヘイライト、ファウスタイト、プラネライトなどの他の鉱物と互いに自由な比率で混ざり合い、結晶に取り込まれる元素が少しずつ異なることで化学組成の範囲が幅広い連続固溶体となり、様々な色や化学特性を示すターコイズグループ(トルコ石グループ)を形成しています。
ターコイズの単結晶も稀に産出しますが、化学組成上連続する固溶体を形成することが多いことから、ターコイズグループの鉱物の固溶体の多くはターコイズとして流通しています。
チャルコシデライト、カルコシデライト (Chalcosiderite)
宝石名 | チャルコシデライト |
英名 | Chalcosiderite |
和名 | 鉄トルコ石(てつとるこいし) |
鉱物名 | 鉄トルコ石(てつとるこいし) |
分類 | リン酸塩鉱物=フォスフェートミネラル(Phosphate mienral) |
化学組成 | 銅と鉄を含む燐酸塩 |
化学式 | CuFe2+6(PO4)4(OH)8・4(H2O) |
結晶系 | 三斜晶系 |
モース硬度 | 4.5 |
比重 | 3.22-3.23 |
屈折率 | 1.7-1.9 |
光沢 | ガラス光沢、脂肪光沢、 |
色 | 淡緑色、黄緑色、緑色、深緑色、緑青色 |
アヘイライト (Aheylite)
宝石名 | アヘイライト |
英名 | Aheylite |
和名 | アヘイル石 |
鉱物名 | アヘイル石 |
分類 | リン酸塩鉱物=フォスフェートミネラル(Phosphate mienral) |
化学組成 | 鉄とアルミニウムを含む燐酸塩 |
化学式 | FeAl6(PO4)4(OH)8・4H2O |
結晶系 | 三斜晶系 |
モース硬度 | 5-5.5 |
比重 | 2.84 |
屈折率 | 1.6-1.7 |
光沢 | ガラス光沢-ロウ光沢 |
色 | 淡青色、淡緑色 |
ファウスタイト (Faustite)
宝石名 | ファウスタイト |
英名 | Faustite |
和名 | ファウスト石 |
鉱物名 | ファウスト石 |
分類 | リン酸塩鉱物=フォスフェートミネラル(Phosphate mienral) |
化学組成 | 亜鉛とアルミニウムを含む燐酸塩 |
化学式 | ZnAl6(PO4)4(OH)8・4H2O |
結晶系 | 三斜晶系 |
モース硬度 | 4.5-5.5 |
比重 | 2.9 |
屈折率 | 1.6-1.7 |
光沢 | ロウ光沢、土光沢 |
色 | 白色、淡緑色、黄緑色 |
プラネライト (Planerite)
宝石名 | プラネライト |
英名 | Planerite |
和名 | プラネル石 |
鉱物名 | プラネル石 |
分類 | リン酸塩鉱物=フォスフェートミネラル(Phosphate mienral) |
化学組成 | アルミニウムを含む燐酸塩 |
化学式 | Al6(PO4)2(PO3OH)2(OH)8・4H2O |
結晶系 | 三斜晶系 |
モース硬度 | 5 |
比重 | 2.6-2.7 |
屈折率 | |
光沢 | ガラス光沢、油脂光沢、ロウ光沢、土光沢 |
色 | 白色、淡緑色、淡青色 |
ターコイズの意味とは?名前の由来について
“ターコイズ(turquoise)”の名の由来は諸説ありますが、ターコイズがトルコ経由で地中海を経てヨーロッパにもたらされ、フランス語で”トルコの石”という意味の”ピエール・テュルクワーズ(pierre turquoise)”と呼ばれるようになったことが語源とされています。
ターコイズは13世紀までは”美しい石”を意味する古代ギリシャ語”κάλαϊς”に由来するペルシャ語で”カレース(callais)”と呼ばれていたと言われています。
また、アステカ文明においては、アステカ神話に登場する水の女神”チャルチウィトリクエ(Chalchihuitlicue)”に由来して”xihuitl”と呼ばれていました。
ターコイズの特徴・特性について
ターコイズには網を張ったような”マトリックス”と呼ばれる、黒・茶・黄茶・赤茶の模様が入ることもあります。
産地によってマトリックスの模様の入り方や色に違いがあり、全く出ない産地もあれば、産出されたほとんどのターコイズにマトリックスが表れるという産地もあります。
マトリックスの模様がクモの巣のような網状の柄に表れたターコイズは”スパイダーウェブ・ターコイズ”と呼ばれ珍重されており、海外では人気の高い宝石となっています。
ターコイズは小さな穴が無数に空いた多孔質のためデリケートな宝石で、水分・油脂・酸・アルカリ・有機溶剤等が染み込んで変質・変色しやすいうえ、紫外線によっても退色・変色しやすい性質があります。
表面に孔が少なく光沢があり色が濃いものは密度が高く硬度も高い傾向にあるため、異物浸透を防いで変色もしにくいという性質があることから、人為的な処理が全く施されていない、天然無処理のナチュラル・ターコイズとして流通します。
天然無処理のナチュラル・ターコイズのままで十分な硬度を持つものは、採掘量が非常に少ないため希少性が高く、価値が高く評価されます。
モース硬度5以上の料はターコイズの産出量は全体のわずか5~15%未満といわれています。
ターコイズの処理について
ターコイズ市場の流通量の90%を占めているのが、硬度が低いため耐久性を高めるための安定化処理が施されたものや、色が薄く染色処理されたもの、ターコイズに似せて作られたイミテーション等になります。
鉱床に生成されるターコイズの多くは硬度の低い、低~中グレードのターコイズです。
このため、硬度を高めるためのエポキシやプラスチックなどの液体樹脂注入による含浸処理、劣化を防ぐための油脂やパラフィンなどのワックスによる表面のみのコーティング処理、色を美しく見せるための染色処理など、古くから無数の処理が行われてきた宝石でもあります。
低~中グレードのナチュラル・ターコイズは、そのままカットや研磨するとその部分から崩れたり、ヒビ割れしてしまうことがあるため、硬度を高めるための安定化処理が施されている場合が殆どです.
液体樹脂注入による含浸処理などの安定化処理が施されることで均一に硬くなり、弱点である湿気による影響もほとんど受けないよう強化されるほか、多孔質のざらつきが無くなり、光沢を良くする相乗効果があります。
ターコイズの耐久性を高めるための安定化処理は半ば慣習的に行われていることもあり、特に表記されない場合が多いです。
また、硬度や成分の低いターコイズの鉱石に「スタビライズド加工」と呼ばれる、硬度を高めるための含浸処理などの安定化処理や染色処理などの加工が施されたものは「スタビライズド・ターコイズ(Stabilized Turquoise)」などの名で流通しています。
この他に、ターコイズを削ったときに出る欠片や粉末、硬度や成分の低いターコイズの小片などを、熱処理などで科学的に結合させることでブロック状に再度固め、さらに硬度・発色を高める加工が施されたものは「リコンスティチューテッド・ターコイズ(Reconstituted Turquoise)」や「練りターコイズ」などの名で流通しています。
ターコイズと同じ多孔質の天然石の「ハウライト」や「マグネサイト」をターコイズカラーに染色した「ハウライト・ターコイズ」というものもあります。
ハウライト・ターコイズはイミテーション・ターコイズに分類されるものの、安価に入手することができるため、ターコイズの代替品として一定の需要があります。
ターコイズの石言葉・宝石言葉
ターコイズの石言葉・宝石言葉は、成功-繁栄-健康-安全。
石言葉・宝石言葉とは、一つ一つの宝石に与えられた言葉のことで、各々の宝石の持つ特質や歴史・言い伝えなどから、象徴的な意味をもつ言葉が選ばれています。
石言葉・宝石言葉には、各々の宝石の持つ特質や色が与える心身への影響が研究された心理学が応用されていますので、自身が受ける心理的影響を生かしたセルフマネジメントや、他人に与える心理的影響を活かした印象戦略などに活用することができます。
誕生石の起源・誕生石のルーツ
誕生石の起原には諸説あり、そのルーツは定かではありません。
誕生石の起源として最も有力な説として考えられているのが、約3500年前の旧約聖書における12種類の宝石の記述です。
旧約聖書の二番目の書の”出エジプト記”の第28章には、ユダヤの祭司が身に着ける装束の詳細が記されており、”裁きの胸当て”または”祭司の胸当て”には12種類の宝石を飾らなければならない、という旨の記述があり、これが誕生石のルーツになったと考えられています。
この他には、新約聖書の”ヨハネ黙示録”に著されている「宝石のように輝く聖なる都エルサレムは高い城壁をめぐらし、東西南北に12の門を構え、その門の土台には12個の宝石が彩られていた」という旨の記述が誕生石のルーツという説もあります。
誕生石の発祥
旧約聖書の出エジプト記が書かれた約500年後の1世紀頃になると、12種類の宝石と1年の12ヶ月、そして12星座の間には何らかの関連性があると考えられるようになります。
5世紀頃には12種類の宝石を使うことがキリスト教徒に奨励されるようになっていき、12種類の宝石を飾ったベルトやブレスレットなどの装飾品を身に着ける風習が確立されていきます。
この風習は発展し、8世紀~9世紀頃には、12種類の宝石をすべての宝石を集めても一種類の宝石のみを身に着けて、ひと月毎に宝石を変えていくスタイルへと変化していったと言われています。
西洋の東洋との交易が盛んになった時代には、インド発祥の占星術を利用した風習も伝わり、出生日時と出生地点などの出生データから、”ホロスコープ”や”出生図”と呼ばれる”出生日時の天体の配置図”を割り出し、導き出された守護惑星と呼応する宝石を護符として身につける風習も伝わっていったと考えられています。
“自分の生まれた誕生月と同じ月を象徴する宝石を身に着けると神のご加護がある”という、現代に伝わる誕生石の風習の発祥は、16世紀から18世紀にかけてポーランドまたはドイツに移住したユダヤ人によるものといわれ、商売に長けるユダヤ人は貿易のために他国へと渡り世界へと広がったと言われています。
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