待望の2016年度蒸留の北海道上富良野産ラベンダーオイルが入荷します! もちろんエッセンンシャルオイル100%の天然ラベンダー精油になります。今年は10月中旬頃に入荷、下旬の販売開始を予定しておりまして、ラベンダー富良野の発売はまだ先になってしまうので、富良野のラベンダーについて少々ご案内させていただこうと思います。
例年、北海道富良野のラベンダーの見頃の時期は7月上旬~7月下旬までです。現在、北海道富良野で主に栽培されているラベンダーには4種類の品種がありまして、品種によって見頃の時期が異なりますが、8月に入ると富良野のラベンダー畑は刈り取り(剪定)の作業がはじまってしまうため、遅くても8月上旬までがシーズンになります。
富良野とラベンダーの歴史は、1937年(昭和12年)に日本の香料メーカーの曽田香料の曽田氏がフランスより5kgのラベンダー種子を輸入したことにはじまりました。日本各地でラベンダーの試験栽培が行われた結果、北海道が最適地に選ばれ、1948年に富良野で本格的なラベンダーの栽培がはじめられました。種子から育てたラベンダーの株を挿し木で増やし、精油の採油量や精油の香りの品質について比較しながら品種を選別したうえで最終的に選ばれた4品種が、現在の富良野で主に栽培されている品種となっています。
富良野で栽培されているラベンダーの4品種の種苗には1号、2号、3号、4号の番号が付けられていてます。1号は1964年(昭和39年)に北海道立農業試験場での系統試験で優良品種として栽培奨励品種に選定された品種名「ようてい」です。ようていの名は北海道を代表する名山として日本百名山のひとつに数えられ、蝦夷富士と称され北海道民に愛されている山、「羊蹄山(ようていざん)」の名前が由来しています。ようていは生育・花付きが早く、富良野では7月上旬頃より開花をはじめる早咲きのラベンダーで、精油の香り・採油量ともに優れているのですが、花色は紫色がやや薄く、赤みを帯びていてくすんだ色に見えることから鑑賞性にやや劣り、寒さに弱いことから、現在は栽培面積が少なくなっています。
2号は1967年(昭和42年)に北海道立農業試験場での系統試験で優良品種として栽培奨励品種に選定された品種名「はなもいわ」です。はなもいわの名は札幌市の街並み・夜景が一望できる観光名所として札幌市民・観光客に親しまれる札幌市の山「藻岩山(もいわやま)」の名前が由来しています。富良野では7月中旬に開花をはじめる遅咲きのラベンダーで、香りの品質・採油量に優れていることから一時期は栽培の主流となった品種でした。花色はつぼみの部分の色が白く、開花しても全体に紫色が薄く見え、鑑賞用には不向きなことから、現在は栽培面積が少なくなっています。
3号は品種名「濃紫(のうし)早咲き3号」です。「早咲き」や「3号」と呼ばれるのが一般的ですが、観光協会の働きかけで「こいむらさき」と呼ばれるようにもなりました。こいむらさきは早咲きのラベンダーで、6月下旬頃から開花がはじまります。濃紫は花自体よりも開花前の蕾(正確にはガク)の色が濃く、開花直前がもっとも青紫色が濃くなるため、こいむらさきが見頃を迎えるのは蕾の頃になります。こいむらさきは花穂が短く精油の採油量が少ないことから、栽培奨励品種から外されていた品種になりますが、他の品種のラベンダーと比べても蕾の色が濃い紫色をしていることからドライフラワー等の観賞用として好まれることから、作付面積が増えてきているようです。ドライフラワーやポプリにしても濃紫の色を保つため、クラフトの材料としても人気があります。
4号は1964年(昭和39年)に北海道立農業試験場での系統試験で優良品種として栽培奨励品種に選定された品種名「おかむらさき」です。おかむらさきは富良野を代表するラベンダーの品種で、ラベンダーらしい甘く爽やかな香りが特徴で、精油の品質が高く、採油量も多いこととから、香料用の品種として優れているうえ、花色は淡紫色で花穂が長く観賞性も高いことから、現在の富良野のラベンダー作付面積の8割近くをおかむらさきが占めています。そのため、富良野のラベンダーの最盛期はおかむらさきが開花する7月中旬~7月下旬頃になります。
富良野のラベンダーが最盛期を迎える頃、ミツバチたちが蜜を求めてラベンダー畑に集まってきます。ミツバチは本来大人しい蜂なので、こちらが攻撃をしない限りは人間に危害を加えることはありませんが、蜂がどうしても苦手な方は、ラベンダーが開花する前の、蕾の頃に観光されることをおすすめいたします。
ラベンダーの発祥の地フランスをはじめとしたヨーロッパ各国では、ラベンダー由来のみ単一のハチミツが売られています。ラベンダーハチミツは、ラベンダーのハーブの香りと、上品な酸味とコクのある甘味、さっぱりとした後味で人気のハチミツですが、北海道産や富良野産のラベンダーハチミツは、まだ販売されているのを見たことがないので、いつか商品化されることを楽しみにしたいと思います。
8月に入ると富良野のラベンダー畑は、刈り取り(剪定)の作業がはじまります。刈り取りは株の保存のために必要な作業で、刈り取られたラベンダーは挿し木、ドライフラワー、ポプリ、精油の抽出に使われます。精油の蒸留に使われたラベンダーは、畑の肥料に使われるので、刈り取られたラベンダーは余すところなく利用されています。
富良野のラベンダーのシーズンは遅くても8月上旬頃までになるので、一面紫色のラベンダー畑の風景が楽しめるのは1か月ちょっとと、とても短い期間になってしまいますが、富良野・美瑛地区はラベンダー以外にも自然豊かな風景が楽しめる、人気の観光スポットです。
北海道はだだっ広いので、市街地以外は田畑・牧場・山・森・林ばかりなのですが、ゆっくり&のんびりとドライブすると自然豊かな景色にきっと癒されます。
収穫の秋は黄金色に色づく田畑が広がる、穏やかな風景をのんびりドライブして楽しみながら、ジャガイモ、トウモロコシ、カボチャ、ニンジン、タマネギ、お米、小麦など北海道の秋野菜をふんだんに使ったお料理がいただけるお店で、北海道の秋の味覚を存分に味わっていただきたいのですが、北海道に行くのは難しいという方に、ぜひ北海道富良野産のラベンダーオイルの香りを楽しんでいただきたいです。
豊かな自然に育ったラベンダーの爽やかでハーバルでいながら、濃厚な甘さのある豊かで優しいラベンダー香りで北海道を感じていただけたらと思っています。