北海道空知管内の南部にある栗山町は、なだらかな丘陵地帯が広がる自然豊かな町です。農業が盛んでお米をはじめ、じゃがいも、たまねぎ、かぼちゃ、メロンなどが作られています。
そんな栗山町に明治11年創業の北海道最古の酒造会社「小林酒造」があります。札幌で創業した小林酒造は、明治34年に清らかな夕張川が流れる栗山町に蔵を構えるべく工場移転し、創業以来、伝統を慈しみながら農家との深いつながりを持ち、地域に根差した日本酒「北の錦」を育み続けています。
1944年に小樽の銀行をモデルに建造され旧本社事務所は、2006年に国の登録有形文化財に登録され、築半世紀を経て1995年より「北の錦記念館」として一般公開されています。
北の錦記念館ではお酒の販売や試飲を行っているほか、酒造りの歴史を刻んだ酒器や什器など約5000点が展示されています。
小林酒造は造り酒屋では極めて珍しい北海道開拓期の面影を残すレンガや札幌軟石の蔵が数多く建ち並ぶ酒造で、一万坪の敷地内には18棟もの蔵が点在し、そのうち13棟が国の有形登録文化財に指定されていて、築100年蔵としては全国でも有数の規模を誇っているそうです。
蔵を活用した夕張川眺望テラス付きの「酒の郷なつかしホール」なる屋内外のコンサートホールも。
酒蔵の中は通常、団体客のみが見学可能で、一般公開は毎年4月中旬に開催されている「酒造まつり」の期間に限られていますが、酒造敷地内には昭和30年代まで蒸米造りや酒道具の殺菌に使われていた横置多筒型蒸気汽管や、酒の運搬に使用されたトロッコのレールなどが保存・展示されていたりと、一万坪の敷地内には見どころが多く、お酒が苦手な方であっても、歴史ある建造物の趣を楽しむことができる、オススメの観光スポットです。
【北の錦 小林酒造株式会社】
所在地: 北海道夕張郡栗山町錦3丁目109番地