■ミスティックトパーズとは?
ミスティックトパーズとは、無色透明のトパーズに「蒸着(じょうちゃく)」と呼ばれる、レンズや半導体等の製造で用いられる技術を応用し、薄膜コーティングを施して虹色の色合いに着色されたトパーズです。
使われる被膜の色や厚さにより如何なる色合いを出すことが可能で、色により様々な名前が付けられていますが、総称としてミステックトパーズと呼ばれています。
蒸着による被膜は最先端技術の応用のため、簡単に剥がれてしまうこともありません。
薄膜コーティングが施されたトパーズには、玉虫色に輝くミステックトパーズのほか、ピンクトパーズ、レッドトパーズ、グリーントパーズなどがあります。
■トパーズとは?
トパーズとは、鉱物学的にはフッ素と水酸基を含むアルミノ珪酸塩鉱物で、厳密にはフッ素(F)の含有量が優位な「Fタイプ/化学式:Al2SiO4F2」と、水酸基(OH)の含有量が優位な「OHタイプ/化学式:Al2SiO4(OH)2」の2種類に分類されます。
インペリアルトパーズやピンクトパーズなどの人気の色調のトパーズは、水酸基が優位のOHタイプで、産出量が少なく稀少です。
OHタイプのトパーズは屈折率が高く、光に長期間さらしても褪色しないとされています。
市場に流通する大半のトパーズはフッ素が優位のFタイプです。
Fタイプのトパーズは屈折率がOHタイプよりやや低く、色調は無色(カラーレス)、ブルー、ブラウンなどがあります。
トパーズの名の語源には、サンスクリット語で「熱」を意味する「tapas(タパス)」に由来とする説や、ギリシャ語の「topazos(トパゾス)」に由来とする説など諸説ありますが、中世の頃までトパーズの名は、緑や黄緑、黄色の宝石の一般的な呼び名であったため、ペリドットもトパーズと呼ばれていた歴史があったようです。
宝石質のトパーズ結晶は世界各地で広範に産出していて、かつては日本もトパーズの世界的な産地として名を馳せていたことがあり、明治初期頃には岐阜県や滋賀県などでトパーズが採掘されていました。
明治時代の頃はヨーロッパで黄色のトパーズが人気を集めていたことから、和名「黄玉(おうぎょく)」と命名されたといわれています。
■インペリアルトパーズとは?
イエロートパーズ | イエロー |
インペリアルトパーズ | オレンジイエロー~オレンジ~シェリー~サーモンピンク |
ピンクトパーズ | ピンク~ピンク~ホットピンク |
レッドトパーズ | レッド |
スカイブルートパーズ | スカイブルー |
スイスブルートパーズ | 鮮やかで明るいブルー |
ロンドンブルートパーズ | 深みのあるダークブルー |
ホワイトトパーズ | カラーレス(無色) |
多彩なトパーズの中でも非常に稀少で珍重されるカラーが「インペリアルトパーズ」で、その殆どがブラジルのミナス・ジェライス州オウロ・プレトから産出しています。
インペリアルトパーズには赤色のオーバートーンがあるのが条件になりますが、オレンジイエロー~オレンジ~シェリー~サーモンピンクまで幅広くあります。
イエローに近くなるほど評価は低くなり、人気が高いシェリーカラーになる程、評価が高くなります。
シェリー酒とはスペイン南部のアンダルシア地方で造られる白ワインですが、熟成を経たその色調は美しい琥珀色をしています。
芳醇な香りの美酒をイメージさせるシェリーの色合いとは、レッディッシュオレンジ(赤みのあるオレンジ)からオレンジッシュピンク(サーモンピンク)のようなカラーです。
インペリアルトパーズと同じブラジルのミナス・ジェライス州オウロ・プレト産の金色のトパーズは美しい色合いですが、市場価値の高いインペリアルトパーズとは区別するために「プレシヤストパーズ」の名で流通していることもあります。
スカイブルー、スイスブルー、ロンドンブルーなどの青色系のトパーズは、無色や淡青色で産出した結晶に高エネルギー線を照射し、さらに加熱処理して青色を発色させたもので、色の違いは処理する際のエネルギー源の違いや加熱処理の有無によるものです。
スカイブルー、スイスブルー、ロンドンブルーの呼び名は、大手化粧会社のレブロン社が名付けたアイシャドーパレットの名前に因んだものですが、今日では一般的な呼び名として定着しています。
世界で産出するトパーズ結晶の多くは、無色・淡褐色・淡青色ですが、かつては色のないトパーズは市場価値が殆どないとされて、宝石としてカットされることもなく、結晶標本として市場に出回るもの以外は廃棄されていたそうです。
屈折率が比較的高いトパーズは、無色の結晶であってもカットを施せば眩いほどの美しさを放つのですが、1970年頃より大量生産された人造宝石のキュービック・ジルコニアがガラス並の安価な価格で流通するようになり、トパーズに限らずサファイア、トルマリン、ベリル、クリスタルなどのあらゆる無色透明の宝石が、キュービック・ジルコニアに宝石市場のシェアを奪われてしまい、流通量が激減してしまったためです。
しかしながら、同じ1970年頃に無色・淡褐色・淡青色の結晶が照射処理と加熱処理によるエンハンスメントで、ブルートパーズへと姿を変えて宝石市場に流通するようになりました。
エンハンスメントとは、その石が本来持っている潜在的な美しさを引き出すための処理のことで、一般的にエンハンスメントを施した宝石は天然宝石とほぼ同じ価値を持つとされているので、紛れもなく本物の天然トパーズになります。
照射処理と加熱処理によるエンハンスメントが施されたブルートパーズの色は安定していて、退色することもありません。
ブルートパーズの元となる結晶は、スリランカやナイジェリア等で大量に産出しているため、ブルートパーズとなって流通するもののほとんどは、インクルージョンやクラックなどがみられない、ほぼ完全無欠の透明度の高い宝石であることが殆どです。
ナチュラルで青いトパーズが産出することも珍しくはないようですが、青みの淡いものが殆どで、カットすると更に色が淡くなってしまい、宝石としては余り魅力がないことや、色が不安定で2~3年も経たずして退色してほぼ無色になってしまうものが多いため、殆ど市場に出回ることはありません。
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